ボクシング界でもヴィーガンが世界王者に!

2012.6.17 by Ken

6月9日、ボクシングの聖地ラスベガスで新たな伝説が生まれました。勝ち目なしと言われているなか、ヴィーガン食でトレーニングをしてきたティム・ブラッドリーが世界最強のマニー・パッキャオを破り新王者に!

パワーのNFLからスピードのテニスまで、ヴィーガン食でトレーニングを積んでトップクラスで争う選手は年々増えてきましたが、限界まで肉体を絞って闘う過酷なボクシング界でも力を発揮できることが証明されました。試合自体は判定に疑問が残ったようですが、それでも無敵の世界王者と互角に渡り合えたのです。

「ヴィーガンってのはハードなトレーニングを支えてくれるんだ。肉体の回復が早いし、消化も早い。動物性のタンパク質を取ってたときよりもずっと早くエネルギーになるんだ。まったく素晴らしいよ!」とは彼のコメント。

ではどうしてヴィーガン食を始めることになったのでしょう? 「4年前、トレーナーを通じてスポーツ・ドクターたちに会ったんだ。彼らはベジタリアンだった。そしてこう聞くんだ。巨大で強靭なゴリラは肉を食べるのか?ってね。食べないのか!?って驚いた。それ以上の話は必要ないだろう。それをやる。ヴィーガンってのをやって、木やら植物やらフルーツやら草やらを食べるよ!」 それ以来、試合前の3ヵ月半はヴィーガン食でトレーニングをし、好成績を残してきたのです。

ヴィーガン食がなぜ体によいのか詳細に解明されているわけではありません。しかし、運動生理学のダレン・モートン博士に聞くと、そもそも聞く必要があるのかと言う。「植物性の食事がアスリートによいかどうか、すでにはっきりしている。カール・ルイスやナブラチロワなど数えきれないほどの例がある。ハイレベルな試合では炭水化物がパフォーマンスに重要であり、植物がそれを与えてくれるのだ。それに、極度の運動では病気になりやすいが、植物性食品は抗酸化物質が多く含まれていて病気になりにくくなり、トレーニングを休む頻度を減らせるメリットもある。」とのこと。

また、20世紀初頭に動物性タンパク質神話に切り込んだ1人、米イェール大学のラッセル・チッテンデン博士の研究結果でもすでに示唆されていました。肉食でトレーニングしたアスリート達を、途中で植物性の食事に切り替えて5ヵ月後に再度調査したところ、何と35%も運動能力がアップしていたのです!

これからは、ヴィーガン食がトップ・アスリート達のスタンダードになること間違いなしですね。