2012年10月24日、ロサンゼルス市が画期的な条例を満場一致で可決しました! 月曜日を「ベジタリアンの日」に指定することで、週に一度、肉食がいかに私たちの健康や地球環境に悪影響を及ぼしているのか、そして肉食によって動物が犠牲になっていることを、市民に思い起こさせようというものです。
2006年の国連の警告以来、環境保全のために世界規模で推進されてきた「菜食の月曜日(Meatless Monday, Meat Free Monday, ベジーマンデー、他)運動」は、特にアメリカ、イギリス、ドイツ、ベルギー、台湾などで目覚ましく発展しました。アメリカでは全国200以上の学校がすでに採り入れており、サンフランシスコ、ワシントンDCなどでは市全体が公式導入しています。そして、今回のロサンゼルス市の「ミートレス・マンデー」運動参加は、アメリカ最大規模となりました。
このキャンペーンを推進したレイエス市議は、次のように述べています。「地球環境の問題や肥満の蔓延は、個人レベルでは何もできないと感じるかもしれませんが、一人一人が日々の暮らしをちょっと変えるだけで大きな影響を与えることができるのです。だからこそ、この『ミートレス・マンデー (菜食の月曜日)』が重要なのです。この一皿で、私たちはより健康になり、地球環境も改善し、そして動物たちも救うことができるという、一皿で同時に3得あるというわけです。」
米国市民が全員週に一日菜食に切り替えると、毎週110万バレルの石油を節約できると言われています。1人が1日菜食にすると7kgの炭素排出削減にもなります。また、健康面では菜食によって成人病が改善するため、心臓病学会やガン学会が推奨しています。ジャンクフードで有名だったビル・クリントン元大統領も心臓病を完治させるために菜食に切り替えました。
オバマ大統領は、2008年の選挙運動の際、菜食に対して次のようにコメントしています。「決して強制はできないが、しかし、もし国民全員がベジタリアンになって1980年頃の肥満率に戻れば、1兆ドル(80兆円)も医療保険を削減することができ、しかも皆が健康になる。素晴らしいことだ!」
そしてカリフォルニア州は、人間や地球環境のためだけでなく、動物たちの命にも配慮しているところが素晴らしいです。マハトマ・ガンジーの名言に、「国の偉大さ、道徳的発展は、その国における動物の扱い方で判る。」とあります。
昨今のカリフォルニア州の決断には、道徳性の高さと時代の先進性が感じられます。ヨーロッパではすでに多くの国が、その残虐性から禁止に向かっているフォアグラに対しても、アメリカではカリフォルニア州がいち早く取り入れ、7年の猶予期間を経て、今年7月にフォアグラ販売禁止法が施行となりました。ファッションのメッカ、ウェストハリウッド市は、1989年から"Animal Cruelty Free Zone"(クルエルティー・フリーな地域)宣言を採択し、昨年9月には、やはりその残虐性から、毛皮販売を禁止しました。
アメリカでは、ベジタリアンの学生に、奨学金のチャンスがいくつかあります。大きなものは5千ドルの奨学金があり、審査の基準は、「菜食のライフスタイルを通して、平和な世界を実現するための意思、勇気、動物への思いやりをどれほど表現したかどうか」になります。こうした人道教育は昔からあり、70年前の全国PTA総会においても、以下の記述が残されています。「正義、親切、慈悲を動物まで広げて考えられる若者たちは、互いに親切で正しい友好関係を築く。彼らはより大切な市民。このように訓練された子供たちの世代は、国際関係での困難でも、隣国を敵としてではなく同胞として扱うだろう。」
自分のことだけでなく、自分の家族や仲間だけでなく、同じ集団や人種だけでなく、そして同じ種別だけでなく、全ての生き物にまで心を配る深さを人間が身につけることができたら、その時こそ平和な世の中になるのではないでしょうか。