ロサンゼルスより最新ヴィーガン事情をレポート!
( 2011/7 by Ken )
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4.お菓子の家、発見!
Whole Foods Market (Natural & Organic Products)


このセクションでは、北米・英国に300以上の店舗を展開するオーガニック商品のスーパー、ホールフーズ・マーケット をご紹介します。

アメリカに住まれていた方ならオーガニック野菜を買いによく行かれていたと思いますが、改めてヴィーガン商品に気をつけて見てみると、様々なヴィーガン対応の商品が並んでいるのに驚きます。惣菜コーナーでもヴィーガン表示がありますし、ヨーグルトやチーズ、ドレッシング、そして極めつけは冷凍食品まで。もちろんヴィーガン・スイーツやアイスクリームもあります。ナチュラルなオーガニック・ヴィーガン・コスメも人気です。

今回は、まずウェスト・ハリウッド地区のフェアファックス店に行きました。ここにはファーマーズ・マーケットもあり、カントリー系のライブがのどかな雰囲気を演出するなかで、買ったばかりのプラムなんかをかじりながら、農家の方と無駄話をしてぶらぶらするのも楽しいものです。

旅行の後半に滞在したラグーナ・ビーチにもあります。4日連続で通い、最後の日に持ち帰るものを大量に買い込んだら、「明日帰るの? おみやげは全部揃ったかな?」なんてお店のおじさんに声をかけられました。「君のところの隣に東海岸の人が移り住んだらしいけど、どう?」「君んちの犬の病気どうした?」などと地元の人の会話の場にもなっていました。

帰国する日には、LAX 近くのマンハッタン・ビーチで朝食にここの惣菜を食べました。巨大な店舗で、ヴィーガン対応の惣菜やスープだけでも30種類以上あったと思います。

Whole Foods Market - 惣菜編


まずは、その色鮮やかなヴィーガン惣菜からご紹介します。どの店舗でもヴィーガン対応の惣菜はありますが、特にマンハッタン・ビーチの店舗ではエリアが広く、イート・インもできるようになっていました。

サラダはもちろんのこと、野菜のグリル、野菜や豆類を煮たもの、ピラフや炒め麺などの種類が豊富で、スープもあります。

左のパックに入った惣菜は、"Spring Rolls"、"Soy Chiken Satay"、"Miss Saigon Rolls"、"Chow Mein"、"Wheat Free Brown Rice & Tofu"、"Soy Chicken Teriyaki" などとなっています。チキンと言っても、ヴィーガンと書かれているので「もどき肉」です。今回は試してませんが、ここの惣菜はハズレがないのできっと美味しいと思います。焼くだけでOKのピザも売っていました。

全くの余談ですが、実はマンハッタン・ビーチに行く予定はありませんでした。L.A. に着いてから TV を見て知ったのですが、ちょうど帰る日の土日に「カーマゲドン(車+アルマゲドンの造語)」が起きるというのです。LAX 近くのフリーウェイが部分的に閉鎖され、車社会のアメリカでは大渋滞が起きて大変なことになると。連日ニュースで特集され一大イベントになっていました。そんな渋滞にはならないだろうと思いつつも飛行機に乗り遅れたらまずいので、最大6時間を覚悟して朝6時頃に宿を出たところ、結局、外出を控えた人が多く8時前には着いてしまいました。そこでマンハッタン・ビーチ地区のショッピング・モールやホールフーズ・マーケットを巡ることになったわけです。

Whole Foods Market - 穀物・ナッツ編

穀物・ナッツ類の量り売りがありました。左の "Nut Butter" はナッツなどを練ってバター状にしてくれるものです。普通のピーナッツだけでなくチョコレート・ピーナッツもあり、ピーナッツ以外にもアーモンドなどがありました。

左下にあるように、穀物・米類、グラノーラ、ナッツなどが様々な種類で用意されています。ここまで無数にあると違いを比べるだけで1年ぐらいかかりそうです。

量り売りではありませんが、豆類も豊富に用意されています。キヌア、アマランサス、シード類などもあります。ローフードを含め菜食料理に必要な食材で揃わないものはないといってもよいと思います。

こういう素材のままの状態を見て、選んで、調理をすると、自然なものを食べている感じがして気持ちがよいですね。野に生きる動物が自分の感覚だけを頼りに食べられる植物、今の健康状態で食べないといけない植物を探し出すのと同じようです。

人間は楽をしすぎて退化しつつありますが、それでも自然に近い生き方をすれば、人間にだって自分の健康維持に必要なものが分かるだけの感覚は残っています。体の声を聞いて、体が食べたいものを食べましょう!

Whole Foods Market - ミルク・チーズ・ヨーグルト編


この写真を見てください。これらヨーグルト、ミルク、チーズの全てがヴィーガンです。普通のお店の乳製品コーナーと同じぐらいに充実していると思いませんか?

ヨーグルトは滞在中ほぼ毎朝食べていました。下に一部ピックアップしました。左から、ソイ2社、アーモンドミルク、ココナッツミルク、ライスです。どれも「ヨーグルト」というからには発酵をさせています。アーモンドとライスはやや固めで味もあまり好みではありませんでしたが、ソイは普通のヨーグルトと変わりません。ココナッツ・ミルクはピナ・コラーダ味が一番合っていて、デザートのようです。

ミルクもヨーグルトとほぼ同じメーカーが出していて種類も同じぐらいあります。販売エリアを広く取ってありパックも巨大ですので、かなりのニーズがあるのだと思われます。

そして問題のチーズ。ヴィーガンに移行できないベジタリアンの多くはチーズをやめられないことが原因です。臭みのあるチーズまではまだないようですが、モッツァレラ風、チェダー風、スイス風、ペッパージャック風、アメリカン風などがあります。サンドイッチやオーブン料理に使うには味も風味も十分なクォリティです。今ではヴィーガン・ピザを出すお店も増え、ついに今年より「ヴィーガン・ピザの日」が制定されました(⇒ 2011/2/3の記事ご参照)。

これだけを見ても、ヴィーガン食のニーズが非常に高まっていて、メーカー側も研究・開発にかなり力を入れていて、実際に売れているということが分かります。

Whole Foods Market - 大豆製品・調味料編

豆腐は日本の方がバリエーションや恐らく味も勝ると思いますが、テンペやセイタンなどは日本では殆ど見かけません。燻製風テンペやチキン風セイタンなど幾つかの種類がありました。また、"SprouTofu" とは発芽させた大豆を使った豆腐ですが、日本では見たことがありません。

味噌のパッケージはアメリカンですね。カラフルで、右のは寿司職人のような鉢巻きをしたおじさんがロゴです。

下段左はドレッシングで、ヴィーガン対応のものも幾つかありました。中央~右は食用オイルです。日本にも色々な種類がありますが、アボカド、ピーカン、ピスタチオ、アーモンド、ヘーゼル、かぼちゃの種、ヘンプの種といったものもありました。

Whole Foods Market - 冷凍・レトルト食品編


冷凍・レトルト食品は何でもあります。"Tofurky" Turtle Island Foods など数社はよく話題に出ていましたが、ここまで充実しているとは思いませんでした。

ベジバーガーを幾つか下にピックアップしましたが、ベジバーガーには見えませんし、種類も豊富にあります。チキン・ナゲット風のものなど、アメフトを TV で見ながら食べられるようなフィンガー・フードも揃っています。写真にはありませんが、真空パックのソーセージも10種類ぐらい並んでいました。

試しに電子レンジだけでできるポット・パイ(上段左)を買って食べてみました。クォリティは冷凍食品なりですが、手を抜きたいときにはちょうどよいかもしれません。ホテルに電子レンジしか調理器具がなく、また、量が多いものは余ってしまうので、今回はこれ1品しかトライできませんでした。

Whole Foods Market - アイスクリーム編

冷凍コーナーにはヴィーガン対応のアイスクリームがありました。こちらもヨーグルトやミルクと同じメーカーのようです。種類も豊富でおいしそう。

残念ながら、ヨーグルトに気を取られて試しそびれてしまいました。こちらの人たちは大きな冷蔵庫にガロンサイズ(4リットル弱)の牛乳数本、洗面器サイズのプレーン・ヨーグルト、ミキサーぐらいの大きさのアイスクリーム数種類を常備するのが普通ですから、やはりヴィーガンであってもヨーグルト・ミルク・アイスクリームの味には相当厳しいと思います。

以前 N.Y. で勤務していた時は、よく下段右端のSOYアイスを買っていましたが、全て天然原料、砂糖不使用で、普通の乳製品アイスよりもずっとナチュラルな甘みで美味しかったです。

Whole Foods Market - スイーツ編

嬉しいお知らせがございます。そう、ここはヴィーガン・スイーツも多種取り揃えています。見た目はアメリカンですが、ナッツやココナッツをベースにフルーツのフレーバーで、結構すっきりしていて美味しいです。ロー・チョコケーキ(写真中央)もリッチな味わいで文句なし。ズッキーニ、バナナ、パンプキンのパウンドケーキみたいのもあり、朝食にもおやつにもよさそうです。

ちなみに、N.Y. で勤務をしていたとき、まわりの欧米人は朝からすごいものを食べてました。アイシングの乗ったドーナッツ2つにミルクと巨大なコーヒー。それを10時ぐらいまで手をべとべとにしながら食べる。もちろんその手で資料をめくる。オレンジをむいて食べてる人も。周囲にはシトラスの香りが充満。そして12時にはビッグ・ランチ!

Whole Foods Market - スナック編

スナックも豊富にあります。左の写真は、何とローフードの特設エリアで、ローフード料理に使う食材以外にもスナック類が並べてありました。ヴィーガン仕様のクラッカーやクッキーもかなりの種類があります。

上段中央の、Lauraさんのクッキーは柔らかくリッチな味わいで、ヴィーガンであるなしに関らず本当に美味しいです。変な添加物なども入っておらず健康志向でオススメです。

下段は左から、スピルリナのロー・チップス、フラックス・シードのロー・チップス、ハーブのクラッカー、ロー・グラノーラバーです。ロー・チップスは表現が難しいですが、柔らかいゴマせんべいのような感触です。特にフラックス・シードのはピザ味で、健康に良いのにジャンキーな味で、常備しておきたいスナックです。ハーブのヴィーガン・クラッカーも人気です。

Whole Foods Market - ヴィーガン・ブック編

店舗の中に本のコーナーもありました。ローフードを含むヴィーガンのレシピ本や健康に関する本が1つのコーナーになるほどまとまって置かれていました。

また、面白いのが、マンハッタン・ビーチの店舗では、左下の写真にあるコンピューター端末がありました。健康に関する情報検索端末のようです。たまたまシステムがダウンしていて使えなかったのですが、恐らく普段食べているものなどを入力すると健康指南をしてくれるものだと思われます。

Whole Foods Market - ペット編

おまけですが、何と、ヴィーガン仕様のドッグフードも売ってました。あるとは聞いてましたが、普通にスーパーに売っているものなんですね。

(番外編)Kombucha - コンブチャ

Kombucha が大流行しているようです。何度か触れましたが、コンブチャとは紅茶キノコのことです。健康に良いということですが、言われているほどの効果がないといった報告もあるようです。ただ、とにかくボトルがおしゃれで微炭酸ですっきりした味わいですので、レストランやバーに置いておけばお酒の苦手な女性などに受けること間違いなし。特に、放射性物質まみれの日本ですから、乳酸菌飲料のコンブチャはニーズが高いと思います。

種類は多様で以下のメーカーがあります。今回は、スタッフお勧めの Kombucha2000 のザクロ味と、Kombucha Botanica のパイナップル・ジンジャーを試しました。ほんのりフルーツの自然な甘みがあり、すっきりしていて、ビールの代わりにぴったりという感じです。

次は、ヴィーガンコスメ、ファッションです。

5.新時代のビューティー