ロサンゼルスより最新ヴィーガン事情をレポート!
( 2011/7 by Ken )
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7.6対0で負けてるニッポン




さて、ここまで L.A. のヴィーガン事情をレポートしてきましたが、そもそも、「ヴィーガン」とは何なのでしょうか? 難しいことではありません。哲学ではありませんし、絶対的なルールでもありませんし、頭で考えてなるようなものでもありません。高級レストランに行って、ふと気付くと窓の外から貧しそうな子供が羨ましそうに覗きこんでいたら、その子の前で高級料理なんて食べられなくなるのと同じことです。

貧しい人のこと、虐待されている人のこと、苦しんでいる人のこと、そして、人だけでなく、人と同じように仲間がいて家族がいて感情のある動物たちに対してもそうですし、更には、より劣悪な環境で生きなければならない将来の人・動物たちのこと、あるいは、それによって醜い争いが引き起こされることが目の前に見えたとしましょう。そうしたら、なるべく助けになりたい、何かをしたいと思うことでしょう。

ヴィーガンというのは、そういった世の中で起きている真実を知ろうとし、見て見ぬふりをせず、心に素直に従って行動するというだけのことなのです。そして結果として、「人間力」の高いライフスタイルになるのです。

第一節の繰り返しですが、世界は経済危機が悪化し、人口爆発、紛争、環境汚染など、このままでは破綻するのが確実になっており、その根本原因は「人間力の低下」です。代々続いた老舗店が変化について行けずに倒産していくのと同じように、このまま現実を知ろうとせず、知っても知らないふりをし、逃避し続けていればこの危機的状況を脱することはできません。「人間力」が問われる今、ヴィーガンはベターでなくマストなのかもしれません。

そんなヴィーガン社会に向かって、一歩も二歩もリードする L.A.。どの辺りが日本と違うのでしょうか?

  1. ヴィーガン・ライフ : SunCafeの色鮮やかなローフード、KindKremeのヘルシーで美味しいアイス、ディズニーワールドにも進出したBabycakesのキュートなカップケーキ等々にみられるように、常に新しいものにチャレンジする精神、ビジネスにならないかもしれなくても良いものを食べてもらおうという心意気、そして、何よりもストイックにならずにヴィーガン生活が楽しくなるような商品を提供していることが素晴らしいと思います。
  2. ヴィーガン・スマイル : お店のスタッフの態度が違います。ヴィーガンであることに拘りをもっている人は意識が高く、フレンドリーです。
  3. ヴィーガン・プロダクト : 惣菜にしても、冷凍食品にしても、ヨーグルト・ミルク・アイスクリームにしても、ホールフーズ・マーケットに並んだ商品の数々を見ると、これなら普通に生活できるなと思える環境が整っています。
  4. ヴィーガン・カルチャー : ヴィーガンを認める文化が整っています。TVパーソナリティの大物2人、オプラ・ウィンフリーとエレン・ディジェネレスが自らのトークショーでヴィーガンを取り上げています。オプラは酪農業界と法廷でも争って勝訴を得ました。大手食品メーカーは動物性食品(肉・魚・卵・ミルク)がガン・心臓病・脳梗塞などの原因であるという事実を隠すのを止め、むしろヴィーガンオプションを売り出すなど、両面戦略に切り替えてきました。
  5. ヴィーガン・セレブ : ハリウッド俳優や有名セレブたちが率先してヴィーガンを選択していることは、一般社会へ非常に大きな影響力があります。
  6. ヴィーガン・マインド : 現実を直視しようとするマインドが高く、フード・インクのような映画が出てきています。また、キリスト教文化なのか、欧米人が単純なだけなのか、畜産動物の置かれている残酷な状況を知って素直に「可哀そう」と思う人が多く、アニマル・ウェルフェア(畜産動物の生活環境の改善)も進みつつあります。美味しいヴィーガン料理とちょっとしたきっかけがあれば誰でもヴィーガンになる可能性がここにはあるのです。

こういう環境が整っているからこそ、ここ L.A. では、ヴィーガンが「クールでエッジーなライフスタイル」になりつつあるのです。

次は、停滞するニッポンを再生するプロジェクトについて。

8.レツゴゥ、ニッポン!!