ロサンゼルスより最新ヴィーガン事情をレポート!
( 2011/7 by Ken )
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3.美食を求めて1千里
Sun Cafe (Organic Raw Vegan Cafe)


まず最初に、ユニバーサル・スタジオ近くにあるオーガニック・ロー・ヴィーガンのレストラン、Sun Cafe (旧称 SunPower Natural Café) です。

手間がかかっていて、ローフードならではのテイストになっています。ローフードのサイトで上位にランクされたのも納得です。驚きなのは値段とボリューム。日本だったら半分の量で倍の値段です。

料理の写真は(左から)、ケルプ麺のパドタイ、ズッキーニ麺のラザニア、そして翌日のランチに食べたロー・ピザです。そして、チョコケーキ、ストロベリーケーキ、巨大なストロベリーシェークです。オーダーしませんでしたが、パフェは更に巨大です。いくら果物の甘みとアガヴェ・シロップと言えども、これだけ食べたら体に悪いのではと思ってしまいます。

内装は落ち着いていて、名前はカフェですがちょっとしたディナーにも使える雰囲気です。スタッフの方もフレンドリーで丁寧に説明してくれます。お店の雰囲気と店員の姿勢はお店の評価の半分を占めるのではないでしょうか? 日本のベジタリアン・レストランもこうでないと! なお、最後のショットはお店の周りにあった壁画です。楽しい街ですね。

Kind Kreme (Organic Raw Vegan Ice Cream)


ロサンゼルスで3店舗展開しているオーガニック・ロー・ヴィーガンのアイスクリーム屋、Kind Kreme です。上記 Sun Cafe のすぐ近くの店舗と、東のパサディナの店舗に行きました。もう1店舗は中心街やや東のエリアにあります。

クルエルティ・フリー(cruelty-free)な社会を目指す PETA が全米トップのアイスクリームと評したのがここ。店舗によって種類は若干異なりますが、10~20種類あって、どれもこれも美味しい! 試食させてくれるので、初めて来られた方もじっくり吟味してオーダーできます。基本的にはローで、一部、次の Babycakes とのコラボで作ったクッキー入りのアイスだけクックド(加熱物)です。

アイス以外にも、ソフトクリーム(英語で soft serve)、スムージー、シェーク、スイーツがあります。さらに欧米でブームの "コンブチャ" も各種あります。

コンブチャとは、「昆布茶」が語源なのですが、実は「紅茶キノコ」のことです。日本でも1970年代に流行したようですが、こちらでは様々なメーカーから多くの種類が出ています。発酵飲料ですから、放射性物質まみれの日本でも今後ブームが再来するかもしれません。ボトルがカラフルでおしゃれなので、飲み会の席やバーなどでお酒の苦手な女性に受けるかもしれませんね。

右下は、シェーク、コンブチャ、4個入りチョコトリュフです。コンブチャはスタッフおすすめのザクロ味で、さっぱり甘すぎず美味しいです。トリュフも申し分なく美味しいです。

Babycakes (Vegan Bakery)

ニューヨークから来たヴィーガン・カップケーキのお店、Babycakes です。NY・LAの他には、昨年、ディズニーワールドにマクドナルドを追い出して進出しました(⇒ 2011/1/4の記事ご参照)。

サイトを見ても分かるように、内装はレトロなプリティ系で若い女の子向きです。カップケーキのトッピングのフロストは個人的には余計な感じがしましたが、それがカラフルで人気なのかもしれません。味はくどくなく美味しいです。

何しろ卵・ミルクなしで柔らかくできるというのは素晴らしい技術です。しかも、白砂糖なし、グルテン・小麦なし、豆乳なしということで、アレルギー体質のお子さんでも食べられます。

場所はダウンタウンです。もし行かれる場合には治安にご注意願います。L.A. での買い物・観光はハリウッド~ビバリーヒルズがメインで、ダウンタウンはオフィスが殆どです。リトルトーキョーの南側で、ファッション・ディストリクトの北側のエリアは「スキッド・ロゥ(どや街)」と呼ばれ、極悪犯罪多発地域です。当店はそのすぐ西にありますので、東方向には行ってはいけません。地区内に入らなければ大丈夫です。

Café Gratitude (Organic Raw & Cooked Vegan Restaurant)


サンフランシスコで創業し、L.A. を含め10店舗を展開するヴィーガン・レストラン、Café Gratitude です。場所はハリウッド近郊です。

ローフードもあり、いつも賑わっている人気店。写真では見にくいですが、外がテラスになっていて、中も広くガラス張りできれいなお店です。ただ、店員や料理についての印象は、やや商業的な感じがしました。

味付けは、あまり辛くないものを頼んだのですが、全体的にハラペーニョなどのトウガラシが効いていました。ワサビと同じで好き嫌いなのかもしれないですが、頼んだものはスープ以外は個人的にはあまり舌に合いませんでした。ただ、次回行くことがあったら、全てのメニューをチェックしたいお店ではあります。

下の写真は左から、"I am Nourished"(栄養いっぱいだ)という名のアボカドとアーモンド・パテのロー・サンドイッチ、"I am Elated"(とっても満足だ)という名のロー・エンチラーダ、"I am Thankful"(とっても感謝したい)という名のアボカドとココナッツのカレースープです。

また、サンドイッチと一緒に写ってる緑色のドリンクは、ローフード界で流行りのウィートグラスです。テキーラグラスみたいので飲み、ワン・ショットやツー・ショット、もしくは、1オンスや2オンスといった具合にオーダーします。小麦若葉のフレッシュ青汁ですが、デトックス作用が非常に強いそうです。

Real Food Daily (Organic Vegan Restaurant)

著書もあるベジタリアン界の有名料理人アン・ジェントリーさんのお店、Real Food Daily です。場所はウェスト・ハリウッドとサンタ・モニカにあり、今回はウェスト・ハリウッド店に行きました。

ビバリーセンターというショッピングセンターの近くで、ショッピング街メルローズ通りのはずれに位置します。店の雰囲気としては六本木の感じです。仲間で盛り上がってるテーブルもありますが、1人で来て見ず知らずの人との会話を楽しんでる人もちらほら。

品のない男性も多かったので全員がベジタリアンやヴィーガンではないと思いますが、ひょっとしたら菜食者の出会いの場になっているのかもしれません。僕も周りの方に声をかけて「リサーチ」してくればよかったですね。

さて食事の方ですが、寝ていた妻を置いて1人で行って、あまりお腹もすいてなかったので殆ど頼んでいません。スターターでナチョス、メインでフェトチーニをオーダーし、しばらくして出てきたのがこの巨大なプレート! ここがアメリカというのを忘れてました。

ナチョスはカシューチーズが乗っていて、ビールに合いそうなジャンキーなもの。美味しいのですが量が多く、それだけで夕食になりそうでした。フェトチーニは茹で過ぎな感じと味もあまりピンと来ませんでした。ただ、評価は高いので、他のメニューもトライしてみたかったところです。

Flore (Organic Vegan Restaurant)


中心地区のやや東の住宅街にあるヴィーガン・レストラン、Flore です。

この地域はアーティストが多く住んでいると言われていて、なるほどちょっと雰囲気が違うなという感じでした。写真には写ってませんが、店員の方で1人、1970年代な感じの長髪ソバージュの男性がいたり、BGMがカーペンターズだったり、店の外のチラシもアニメ大会だの「ラブ」と書かれたレイヴ系イベントと思われるものだったり。スタッフも接客というのではなく、「おぅここが俺んちだ、奥入ってよ」という感じで、仲間の溜まり場的な雰囲気です。

料理の方は、ソイチーズが乗ったピザと、テンペベーコン&カシューチーズの入ったブリトーです。ケーキまで手は出ませんでしたので、写真だけです。

下段左はこれまたコンブチャです。中央・右は街のショットですが、アーティストの街という感じがします。

Native Foods Café (Vegan Restaurant)

著書もあるヴィーガン・シェフのタンヤ・ペトロウナさんが17年前に始めたヴィーガン・レストラン、Native Foods Café です。L.A.近郊に5店舗、シカゴに3店舗あり、今回は、旅行後半のラグーナ・ビーチ滞在中に、近郊のショッピングセンター内にあるアリソ・ヴィエホ店に行きました。

ファーストフードのようでスタッフの応対も良くありませんでした。料理も雑な感じがしました。評価は高いので本店は良いのかもしれませんが、この店舗は個人的にはアウトです。しかしルーベンサンドの植物性ローストビーフは味も外見も本物そっくりで、これは美味しかったです!

料理はスープ、ベジーピザ、セイタンのルーベンサンドです。

Southern Fried Vegan BBQ (Vegan Stand)

ヴィーガン版アメリカ南部料理の屋台、Southern Fried Vegan BBQ です。The Gentle Barn に行ったときにちょうど出店していました。

サイトがなくなってしまったようで、どのような目的で出店をやっているのか分かりませんが、肉食の方も納得の料理です。もどきチェダーチーズ・もどきチキン入りのケサディーヤと、もどきチキンのバーガーを頼みました。バーガーは一口食べて、これ本物の肉じゃないの!?と疑ってしまったほど、味も食感もあまりにそっくりで驚いてしまいました。もどきチーズもこってりで、この味ならヴィーガンが増えること間違いなしです。東京にも出張して欲しいものです。

Cruzer Pizza (Vegan Pizza)

ヴィーガン・ピザ屋の Cruzer Pizza です。中心地のやや東の住宅街にあり、富裕層が比較的多く住む地域で、ヴィーガンも多いようです。

試しに「何でも入り」のピザにしてみましたが、もどき肉はない方がよい感じでした。プレーンピザに好きなトッピングをした方が良さそうです。チーズはウワサのダイヤチーズ(Daiya Cheese)を使っているようなのですが、活かされてない感じがしました。ベイクドボテトもオーダーしてみましたが、こちらは普通という感じです。

ピザ屋は他にもあるので試してみたかったのですが、宅配でないと受け付けなかったり、時間もなく、今回はこのお店のみです。

Stuff I Eat (Organic Vegan Restaurant)


こちらは世にも珍しいヴィーガン・ソウルフード食堂、Stuff I Eat です。場所はロサンゼルス国際空港(LAX)の近くのイングルウッドです。

これまでのお店の紹介と違って、写真の1枚目はやはり店名の "I" 、オーナーさんです。店名は「俺が食べてるもの(こんなのどうよ?)」という意味。雰囲気的には南部ラッパーのリュダクリスで(?)、しゃべり好きな楽しいおじさんです。かなり前からヴィーガンとのこと。

ソウルフードだけでなくブリトーなど他にもメニューはありますが、おじさんがソウルフードを勧めるし、このおじさんと話してるとそれ以外を注文する気になれず、僕の中では完全に「ソウルフード食堂」です。お客さんもほぼ黒人の方です。寂れた感じの町ですが、その中でこの店だけは輝いていました。サイトを見ても分かるように意識が高く、健康や環境によい食材を使うようにしていますし、内装はアーティスティックでおしゃれです。

さて料理の方ですが、何が出てきたのかはよく分かりません。今メニューを見ると、ブラックアイドピーのスープ、ケールを煮たもの、ヤム芋の煮たもの、豆腐ステーキなどとなっていて、確かにそんな感じでした。「美味しい!」と叫びたくなるような洗練された料理ではありませんが、素朴だけど味がしっかりしていて、個人的にはすごく「好き」です。「今度 L.A. に来るときは飛行場着いて車借りてすぐここに来る。そうしなよ、それがいい!」っておじさんが言ってきたけど、たぶんそうすると思う。何か居心地のよいお店です。

The Stand (Vegan Restaurant)


ラグーナ・ビーチにあるヴィーガン・サンドイッチスタンド、The Stand です。ウェブサイトがないので、メニューをスキャンしました。

意外なことにラグーナ・ビーチで唯一の完全ヴィーガンのレストランです。高級住宅街に住む健康を気にする地元の方々や観光客など、常に人で混み合ってます。メニューは豊富で、毎日通っても飽きませんでした。

このお店は、クルエルティ・フリー、環境・貧困問題を啓蒙しています。オーナーの方に声をかけられましたが、数十年来のヴィーガンで穏やかな感じの方でした。スタッフの女性たちも皆さん、人・動物・地球環境への想いがある優しくて素敵な方々でした。

料理は、左上から、①アボカドピタ、サラダ+ピタパン、②タマル、③ブリトーとベジバーガー、④ビーン・ライス、⑤スープ(大)、⑥サンドイッチとソフトクリームです。スープは8種類ほどあり試食もできます。おすすめはレンズ豆です。料理はどれも美味しいのですが、スプラウト・サラダにアボカドを追加してピタパンではさみ、スープと一緒に食べたのがベストでした。スムージー・シェークやウィートグラスもはずせないですね。

「2店舗目はぜひ東京に作ってよ」とスタッフと話してたのですが、「私がやりに行きたいわ!」と結構乗り気。難しいでしょうけどぜひ来て欲しいです。

次は、スーパーマーケットにあふれるヴィーガン商品の紹介です。

4.お菓子の家、発見!